おしゃれな似顔絵とダサい似顔絵について

おしゃれな似顔絵とダサい似顔絵

おしゃれな似顔絵を描いてもらいたいけど、どういったものがいいの?これから似顔絵を描いてみたいけどダサいものは描きたくない!なんて思っている人に少しだけ読んで欲しい。
ここで書くことは、決して全ての似顔絵のデザインが悪い!と言っている訳ではありません。全ての似顔絵師さんは、プライドを持って素敵なお仕事をしています。とても素晴らしい作品だなーと見惚れてしまいますし私にはできない!と思うことも多々あります。

今回、書くことは簡単に言うと、デザインがどうしてダサいのか?おしゃれに見えないのか?
と言うことを似顔絵に絞って解説します。全員に当てはまることではございません。似顔絵師ではないデザイナー兼イラストレーター個人の経験に基づく意見ですのであくまで参考までにして下さい。

【現役デザイナーから見た似顔絵のイメージ】
悪い言い方になってしまうのですが、一言でデザイン的にはダサいと言うイメージがあります。(ある特定のデザインでこれとは限定しておりません)
デザイナー歴16年(偉そうに!まだまだですな!)の私から見ても実は一般的なよくある時代が止まっているようなデザインの似顔絵は、デザインの要素に入れたくないのです。決してデザイナー全員の意見ではありませんしデザイナーとしての仕事は別です。クライアントが希望すればご要望に応えますしビジネスとしてデザイン要素が合えば使用するしょう。(自分がクライアント側だったら使いたくないと言う個人の意見)
と言うのも、イラストやアートにもファッションと同じく流行が少なからずあります。おしゃれかダサいかは洋服を着慣れている人やファッション好きな人が一目でダサいと判断できるようにデザインにおいても可能です。
私は、特にアパレルデザイナーだったことからファッションや世の中のトレンドには敏感に反応してしまうので今やっているデザイン全てにおいてもトレンド感を意識して判断するのでその結果、感想としてはダサいと言う一言になってしまいます。

注意:ここでフォロー!
一般的に似顔絵にトレンド感を意識する人は、むしろ少ないでしょう。デザインの仕事に携わっていないのなら尚更です。ただ、この絵がかわいい!欲しい!それだけでいいと思います。
洋服や音楽もアートもその人の直感でいいと思ったものを買うものです。

【なぜ人によってダサく見えるのか?】
例えば、日本のアニメーションイラスト。誰もがどこにいても見かけます。
ポスター、パッケージ、CMなど様々な媒体でデザイン要素として使用されています。自慢できる日本文化の1つでもあり外国人にはともて人気がありますがアニメを容易にデザインに使い過ぎていて日本人にとっては、スタイリッシュとはかけ離れた、どちらかと言うとオタクのイメージ要素が強くダサいデザインに見えがちです。

どのイラストもどこかで見たことのあるアニメキャラの顔、オタクのイメージがそもそも強い…
そもそもがおしゃれとは無縁なのでは?そんなことはありません。
ダサく見える理由には、新しい発見がないからです!
逆に外国人にとって何が魅力なのか?それは外国にはないものだから。逆に欧米文化に日本人はとても憧れますよね。人はないものに憧れるものです。

アニメキャラを使用した媒体でも、おしゃれなものがたくさんあります。
あえて古いアニメキャラの採用であったり(トレンドの80年代風に合わせ)、カラーを現代風に変換したり、見た目よりも使い方で笑いを取れるものにして見たりとその時代に合わせた提案の仕方でトレンド感が出てきます。
既存のものを新しいものに生まれ変わらせること、あえて今馴染みのない古いものを使うことで新しい発見があると人は魅力的に感じます。そこにトレンドを組み合わせると新鮮に見えおしゃれだなと感じることができます。

わかりやすくアーティストで言うと村上隆さんです。
どこかで見たことのあるアニメっぽさがあり日本人的にはアートなんだ?と疑問に思う人もいたはず。しかし今や世界でも有名なトップアーティストです。ヴィトンなどのファッションブランドともコラボしたことは話題になりました。
ただアニメをこれはアートなんだ!と言って描いてもできないことです。アートとして成立する見せ方、提案の仕方、色、トレンド、デザインなどを熟知しているトップアーティストだからなせる技とも言えます。(アーティストであるのに何よりもビジネス力に脱帽!)欧米にはないものだったからこそ日本よりも海外で受け入れられたのです。

アート、音楽などの芸術はほぼ、アイディアが出切っていると言ってもいいでしょう。今あるものは、昔のものをリスペクトして作られたもの、作り直して新しくしたもの、組みわせて新しく見せているものがほとんどです。それほど、全く一から新しいものを生み出すことは難しく、それができたらどこにいてもトップに立てるくらいの発見とも言えます。今あるもので、どれだけ新しく見せられるかで勝負が分かれます。
ダサさからの脱却は、同じものに縛られないことトレンドに沿った斬新さが必要です。

【私が似顔絵をダサいと思う理由】
似顔絵のデザインは、肖像画と似顔絵に分けると肖像画は絵画などの方に分類されるのでリアルに近いものになります。似顔絵はデフォルメ化されキャラクター感やかわいい雰囲気が出ますので親しみやすく描くのも早いため販売しているものは肖像画的要素よりはデフォルメされたものが多いでしょう。
特に似顔絵は技法が決まっていると、どの絵師さんが描いても同じように見えてしまうかもしれません。ショッピングモールで描いてもらうような似顔絵は、どうしてもどの絵師さんが描いてもデザインが同じようなものに見えてしまいますね。
違いが出ているのは、色の塗り方やタッチ、デフォルメの度合いなどです。

似顔絵がダサく見えてしまう大きな原因は、どれも同じデザインに見える、似顔絵はこういうデザインだという概念が強い、似顔絵のデザインテイストが決まり切っている、色紙に描いて飾るだけで用途がない、キャラクター要素が強い、デザインが昔から変わらない。
こう言った原因をまとめると進化がなく斬新さがない、発見がない!と言う言葉でまとめられます。

【私が思うおしゃれな似顔絵】
パッケージデザインだって同じように見えて時代に合わせて少しづつ変化していますしプロダクトデザインは、毎年のように大きく変わっていきます。ファッションにおいては半年で変わります。進化がなく斬新さがない、発見がないと何においても時代遅れを感じダサさを感じます。
具体的に似顔絵でおしゃれを感じると思うものは、タッチや表情、総合的なデザインで時代遅れではない今らしさと新しさを融合したものです。
決まり切った概念は忘れてもっと新しい似顔絵の世界を広げてみましょう!

<描き方>
アナログの手描きだけが似顔絵なんて時代遅れです!PC、iPadなどデジタルを駆使して描くのが当たり前の時代です。だからと言ってデジタルばかりを推奨しているのではなく描く道具にもこだわらず、どんどん新しい素材で描くものはとても挑戦的で斬新で魅力を感じます。
色だって水彩、色鉛筆だけではありません!むしろ、ただのボールペンだけでもいいはず!
なんだったらデジタルでも水彩描けちゃいますよ!
使っている道具に縛られない、表現方法に縛られないデザインに注目してみましょう!同じ道具でもタッチや描き方次第で新しい似顔絵にもなりますよね。同じ技法にこだわる必要もありません。モデルが人間ばかりではなく動物だっていいと思います。

<似顔絵の使用用途>
日本は、絵画やアートを部屋に飾るという文化はあまり浸透していません。色紙に描いてもらっても数年たったら色褪せてどこか棚の中なんてこともあるでしょう。似顔絵を描いた後は飾るだけしか用途がないのは色紙や紙に限って描くから!どうせ飾るなら、かっこいいファブリックボードに描く方がいいし似顔絵を他のものに描いたりプリントすれば用途は広がるはずです!日本人には飾るよりも使うものが向いているかもしれません。
例えば、Tシャツ、マグカップ、エコバッグなど

<似顔絵の購入目的>
購入の目的はプレゼントや記念日のためがほとんどでしょう。観光地、ショッピングモールで描いてもらうことは、ふとしたきっかけがほとんどですが自分への目的ならウェディングボードでの需要はとても大きいかと思います。プレゼントなら記念日に描いて贈ることが多いかと思います。
もし必要な場合があるとすれば名刺、看板、ウェブなどに使用することが一般的ですのでビジネス用途での目的が多いでしょう。自分で作るなら?贈るなら?色紙が欲しいですか?
いつかゴミになりそうなものに描いてもらうより、おしゃれなもので使えるものがいいですよね!
例えば、記念のペアマグカップ、部屋で使えるクッション、時計など

ダサさを感じるのは、絵への固定概念がある意味邪魔をしていることがあります。上手いから絵として良いか悪いか?下手だからダメなのか?上手さ下手さでもありません。
最終的には、その人個人が良いか悪いか好きか嫌いか決めることです。だから描き方も自由!色んな似顔絵の形を見てみて下さい!世の中には、たくさんの似顔絵の表現があります。

そして絵はただ飾るもの!と言う概念は忘れて下さい。アートは飾るだけではなく使ってもいいもの!日本人に向いた使い方でアートや似顔絵を楽しんで下さい!そうすることでアートや似顔絵をもっと身近に感じることができます。

次回は、私が好きな似顔絵アーティストを紹介していこうと思います!

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